ジャズテナーサックス奏者として長い活躍と堂々たる貫禄を持つデクスター・ゴードンは60年代後半のジャズ界の混迷期、新たな天地を求めてアメリカからヨーロッパに転出したジャズメンの1人です。このアルバムはコペンハーゲンで同じく渡欧組のピアニスト、ケニー・ドリュー、現地で活躍する天才的超絶技巧派ベーシスト、ニールス・ヘニング・エルステッド・ペデルセン、パリを中心に活躍したトランペットのディジー・リースに加えアメリカからはトロンボーン奏者スライド・ハンプトン、ドラムのアート・テイラーというベテラン勢が参加しています。中でもテイラーのアップテンポのラテンビートから始まるA Day in Viennaが素晴らしい出来、近年のクラブジャズやレアグルーヴとしても注目を集めた名曲、名演で何度聴いても鳥肌が立ちます。Germany MPS 20698 stereo US reissue オリジナルは1969年プレスのドイツMPS 15230ですが本盤は1972年アメリカ再発盤です。ユニパック式の見開きジャケットは多少経年劣化で擦れ、黄ばみ、角傷み、右上カット部分をテープ補修、塗り込みがあります。盤はノイズは少なく良好でこのレーベルらしい高音質なレコードです。